立山山麓(みくりが池)散策 立山室堂小屋(重文)
お盆が過ぎた週末に富山の家内の実家に行き墓参をすませ、立山山麓のみくりが池温泉泊まりの家族旅行をした。 晴天に恵まれたが今回は立山などの登山はしなかった 室堂タ−ミナル屋上から |
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朝の5時に自宅を出発し、小浜市まで延びた舞鶴・若狭高速道路から若狭路(R27)を走り、敦賀から北陸高速道、富山インタ−で下り、近くにある家内の実家を訪問。墓参をすませ回転寿司店で昼食を取った。「鯛」、「ハマチ」が置かれていない店で驚いた。 地鉄・立山線沿いに千寿が原駅(立山駅)に車を走らせ、駅前広場の駐車場に運良く駐車できた。美女平までの登山ケ−ブル、室堂タ−ミナルまでの登高バスも空いていて順調にこの展望台・室堂平の登山口に着いた |
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室堂タ−ミナル展望台から | 乗ってきた登高バスタ−ミナル(天狗平)方面 | |||
室堂は人でごった返していた | 登山歩道も行き交う人でいっぱい | ここは「ブナ坂外11国有林」です。標高2450m(室堂平)の環境省の看板が立っていた。雄大な立山連山が聳える | 大日連山 | ガスに包まれて剣岳は見えない |
一の越山荘に向かう道 | ミクリガ池 立山火山の水蒸気爆発によってできた凹地に水がたまった池です。プランクトンやカワゲラの幼虫はいますが、魚はいない貧栄養型の湖沼です。 「みくり」は「御厨」と書き、神様の食物を調理するところを言います |
湖畔には一年中消えない雪渓が残っていた | ||
ミクリガ池 | ミクリガ池に映る立山連山 | 今夜泊るミクリガ池温泉ホテルが見えてきた | ミクリガ池温泉ホテル | |
ホテルの左下には地獄谷に下りるコースが続いている | 宿泊するミクリガ池温泉ホテルに着くと、3Fに部屋が用意されていた。リュックをおろしカメラなどを持って地獄谷におり、周回コ−スの散策に出る | ミクリガ池温泉ホテルを見上げる | 大日岳がきれい | 地獄谷と大日岳連山 |
立山に地獄あり 地獄谷は立山火山の水蒸気爆発でできた、多数の噴気孔や温泉の泉源などがある窪地で、日本でも最も高所にある温泉としても知られています。 また歴史的に立山の地獄は、全国の亡者が集まるところとされ、平安時代に書かれた記録や説話の中にもたびたび登場します。江戸時代には、立山信仰の中核をなすものとして、立山の地獄が立山信仰布教の手段として作成された「立山曼荼羅」に大きく描かれ全国に広められました |
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みどりの葉の上から覗くミクリガ池温泉ホテル | 雷鳥沢 | |||
地獄谷 火山ガス危険区域 火山ガスに注意 地獄谷には、たいへん有毒な火山ガスが発生しています。特にぜん息の人、気管支に疾患のある人は立ち入らないようにして下さい。 歩道から外へは絶対に出ないでください。警報が発せられたり、臭気が強いときは急いで通り抜けてください。 |
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ミクリガ池山荘 | 地獄谷 | 地獄谷 | ||
地獄谷 有毒ガス危険 歩道以外立ち入り禁止 社会人一年生として富山に就職し、その夏、先輩に案内されて地鉄(千寿が原駅)から歩いて称名滝(八郎坂)を登り「地鉄−剣岳−大日岳縦走:徹夜24時間登山」を果たしたが、弘法平、弥陀ヶ原、美松、天狗、室堂、ミクリガ池と懐中電灯を頼りに歩きに歩いて登り、深夜にこの地獄谷に入った思い出がある。初めての地獄谷が懐中電灯に照らされて「しゅうしゅう、ぶくぶく」と噴煙を上げ臭気に悩まされて恐ろしい風景であった。当時は歩道など皆無であり、人の歩いた痕跡の残る道筋を先輩の案内で歩いたものだった。窯地獄、鍛冶屋地獄など懐中電灯の光の輪に入る所まで近づいて見たものだ。 |
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地獄谷 | ||||
地獄谷から温泉の熱水を山荘に送っている。噴出する熱蒸気を利用して、水を加熱し泉源として使っている。熱ガスの噴出量が変わると、水温が一定にならないので、昔は入浴客の好みにより、湯元まで走って都度、調節したとのことである | ||||
地獄谷 | 立山連峰 | 雷鳥沢 | ||
変化の多い眺望と高山植物の宝庫 大日連山 大日岳の山名は、大日如来に由来し、この山は古くから修験者の修行の場になっていたと云われています。また大日連山は、登山道からの見晴らしも良く、高山植物の種類も多いことから登山者に人気のあるコ−スになっています。 七福園や大日平のお花畑などの見所を通り、称名滝に下りるル−トは手軽な一日コ−スです |
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弥陀ケ原と大日平の間を流れ下る | ロッジ立山連峰 | |||
雷鳥沢のキャンプ場 | 雷鳥沢温泉 | 大日連山の素晴らしい眺望 | 眺望 | 剣岳方面 |
雷鳥沢からの登山道400mm望遠で撮影。この登山コ−スは、一の越からの立山連山縦走の下り、剣岳や大日岳縦走の登りによく使う。登山する場合、本格的な登高なのでかなりのアルバイトが必要になる 多人数がグル−プで登山中。時間的に見て、登り切った別山乗り越あたりで宿泊と思われる | ||||
立山連山尾根(別山?)の山荘 | 立山連山尾根(真砂?)の山荘 | |||
雷鳥沢のキャンプサイト | 近くまで雪渓が残っている | ミクリガ池に戻る周回ル−トを散策 | 素晴らしい眺望 | 眺望を楽しみながら歩く |
血の池火口跡が池になったもので、酸化鉄が多く含まれているため、赤い色をしています。 昔、人々は立山地獄の一つとして、血の池地獄と呼んだのが、この名の由来です 立山曼荼羅に描かれている血の池地獄 |
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緑の高原を散策 | 起伏がある散策道 | |||
国指定 天然記念物 立山の山崎圏谷石碑山崎カ−ル:正面に見えるお椀のようなくぼみは、氷河によって山腹が削られてできたもので、カ−ル(圏谷)と呼ばれています。立山には、このようなカ−ルがいくつもあり、氷河が削った岩の傷(さっこん)も見られます。 山崎カ−ルは、表が地形の研究家であった山崎直方氏によって1905年に指摘されたカ−ルで国の天然記念物に指定されています。 |
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ホテルが見えてきた | 剣岳がガスの間から頭を見せ始めた。しばらく粘ったがガスは晴れなかった | |||
今夜宿泊するミクリガ池温泉ホテルに、地獄谷から雷鳥沢の一角を周回して戻ってきた。剣岳はまだ頂上にガスがかかっている。ホテルの前のテラスは絶好の展望台。三脚を据えて、カメラの砲列が敷かれていた。ソフトクリ−ムを食べる | ||||
立山連山 | 大日岳連山 | 素晴らしい展望を楽しむ | ||
一休みをした後。夕暮れ風景を撮りにホテル前に出る。快晴の夕日に染まる立山をGET。月も昇ってきた | 夕暮れの夕日に照らされた立山連山を撮影。雄山と浄土山の間、一の越の上に月が見え、薄雲が室堂山荘のある地表を漂う | |||
立山御山神社直下の絶壁 | 雪渓 | |||
夕日に照らされた立山連山 | 一の越の上に月が昇ってきた | 夕日に照らされた立山連山 | ||
夕日に照らされた立山連山 | 雄山と浄土岳の間に月が昇った | 満月から、かなりすぎている | ||
夕映えに赤く染まる立山連山を照らす夕日は、沸き上がる雲の中に沈んでいった。夕日の残照で輝く雲間に向かって、飛行機雲が白く尾を引いて空を渡っていく。 ミクリガ池温泉ホテル前の展望台からの平和な眺めだ♪ |
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夕日に赤く染まる黒雲と、白く尾を引く飛行機雲 | ||||
ミクリガ池温泉ホテルで一泊した翌朝も快晴。立山連山の続きに、剣岳も姿を見せている | 大日岳連山 | ミクリガ池に映る山並み | 陽光を浴びてミクリガ池が輝く | 室堂平の遊歩道の要所を行き交う人々 |
重要文化財 立山室堂 現在残っている日本最古の山小屋で、立山における信仰や民俗の様子を伝える重要な建造物です。「室」とは宿泊所という意味があり、「堂」とは御堂などといわれるように宗教施設を示すもので、室堂は、その両方の役割を合わせもったものでした。 文献には、現在の建物は1726年(享保11年)に再建されたと伝えられており、それ以前にも建物があったことが確認されています。平成7年には国の重要文化財に指定されました |
立山開山の伝説がある 玉殿岩屋 立山火山が噴出した溶岩が冷却する際にできた板状節理(板状の岩盤)が発達してできた2つの洞窟を玉殿岩屋と呼んでいます。 立山を開山した佐伯有頼が熊を追って、この洞窟に入り込んだところ、熊は実は阿弥陀如来の化身で、有頼に立山を開山することで、人々を導くよう命じたという伝説があります |
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室堂診療所 | ||||
室堂タ−ミナルに戻ってきた | 高原バスの終点、室堂タ−ミナル | 帰りの立山高原バスの車窓から剣岳を撮影 | 同じくバスの車窓から、薬師岳を撮影 | 称名滝を撮影、バスの車窓から |
登山ケ−ブル・カ−が上がってきた | 地鉄の終点・立山登山口の、立山駅(千寿ケ原駅)に降り立つ | |||
ミクリガ池周辺の高山植物 チングルマ 立山を代表する高山植物で、草のように見えますが、実際は超小型の樹木です。群生するクリ−ム色の花も見事ですが、風車のように風にゆれる実と紅葉した葉も、すばらしいものです |
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チングルマの実 | 風に吹かれるチングルマ | コバイケイソウ | ||
コバイケイソウ | バイケイソウ(ゆり科) | ヤマハハコ(きく科) | ミヤマゼンコ(セリ科) | |
ミヤマゼンコ(セリ科) | ミヤマアキノキリンソウ(コガネギク) | キオン? | 黄色い花(きく科) | |
ミヤマキンバイ(バラ科)? | ハクサントリカブト(キンポウゲ科) タカネスイバ(タデ科)? |
ハクサンチドリ(ラン科)? | ミヤマホツツジ(つつじ科) | |
タテヤマリンドウ(リンドウ科) リンドウ池には、イワイチョウやアオノツガサクラなどが生育しています。また丈が10cm位のリンドウが多く見られます。池から離れた斜面の瑠璃色に見えるのが、ミヤマリンドウです。池に近いところに藤色に見えるのが、タテヤマリンドウです。2種の区別は、花の色だけでなく、茎や葉の硬さや形でも見分けられます |
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タテヤマアザミ(バラ科) | ||||
ハイマツ(マツ科) | ナナカマド(ばら科)? | (たで科)の植物? | ||
8月末にもなれば、花が咲き終わり実をつけている植物が多い。(たで科)? お花畑も咲き残った花や咲き遅れた花など、一部が見られるだけであった | ||||
イワイチョウ(りんどう科) イチョウの葉によく似ていることから、この名がつきました。秋に黄色く色づく葉の様子は、イチョウの葉にそっくりです |
コケモモ(つつじ科)? | 血の池の近く ワタスゲの白い花は見られなかった |
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雷鳥の雛?ではなかった ミクリガ池の周辺や大日岳のお花畑では、今までの登山では必ず「雷鳥」に出会っていたが、今回の散策では、目を凝らして探したが「雷鳥」を見つけることが出来なかった。 ところが帰り道で「ハイマツ」の上にいる「雷鳥の子?」らしき雛を見かけた。でもライチョウではなさそうに思える。 先日の朝日新聞夕刊に「減少目立つ神の鳥」の見出し記事があり、氷河時代の生き残りのライチョウ、個体数は北・南アルプスを中心に国内で約3千羽とされるが、近年、減少が目立つと・・・警告する。 とあった。たったの3千羽!ハイマツ林は広いのに、これでは雷鳥を見るのも余程の幸運が必要なのかも。地球温暖化の影響を真っ先に受ける可能性があるとの「ライチョウ」の記事であった。 追記: みちくさ・ど・ブロク by caribou 様から、この鳥は、クロジ(すずめ目ほほじろ科)だと教えていただきました。検索すると立山で夏に見られる鳥の一つだと云うことです。caribou様、有り難うございました。 |